銭湯がなくなる

この街の銭湯が
また一つ廃業した

高い天井に
広い湯船

足を伸ばして浸かる
風呂の気持ちよさ

そんなものは
もう要らないって
この時代は囁いているのか

今でも
子どもたちは
お父さんと銭湯に来て
嬉しそうにはしゃいで
風呂に入っているのに

年寄も若者も
汗を流して温まり
風呂上がりには
さっぱりした
心地よい笑顔になるのに

時間や手間や
利便性や効率や

いろんなものが
もう銭湯は要らないって
現実を突きつけてくる

10分で済む家のシャワーと
30分かかる銭湯と

両方あって
選べる贅沢

これからは
選べない