2018-03-15 ホタルイカ 詩 #詩 今年の初物 親指ほどの姿態 キラキラと 光沢を放ち 口に含めば 弾力と 甘みと ワタの苦味 舌に絡み 咀嚼すれば おぼろげな 潮の香り 可愛らしい パッチリした目が いまだ 光を失わず 生命を丸ごと 飲み込む快楽と 春の息吹を 摂り込む贅沢が またわたしを 世界に向かわせる 季節をまわす営みが 食卓に織り込まれて 生き物であることが うれしくなる春