先生の思い出

学生時代は
煩わしくて

小言を言われ
何かにつけて注意され

授業は退屈
放課後が待ち遠しい

目の上のたんこぶだった
先生

大人になってみれば

ずいぶん勝手なことをした
生意気で失礼だったと

自分の至らなさを思い
先生の思いやりが
身に沁みる

久々に顔を合わせると
親しみと気まずさで

うつむいて
照れて笑って

話もできず

挨拶だけして
物足りなさと
ぎこちなさと

それでも
元気で会えた満足を持ち帰り

己を納得させて
独りごちた

この感覚
物足りない気持ちを
足りないままにしておきたい心

歳をとって
手に入れた
良いものの一つ