へちまに太陽

とうとう
夏が訪れた

寒さを忘れ
汗にまみれる

午後も遅い
夕まだき

縁側でたたずみ
青唐辛子をきざみ
醤油に浸けて
冷奴にのせる

切子細工の猪口で
冷酒をあおれば

火照った身体に
辛い刺激と熱が抜け
涼しさが吹き渡る

気紛れに買った
へちまの苗

軽く酔って
庭に植えて
水をやれば

未だ
高い陽射しが
葉にふり注ぎ

小さな苗は
一丁前に
立ち上がり
胸を張っている

これから
暑く強い光を受けて

濃い緑を
茂らせてくれるはずだ

陽の強さが
目に見えるような
濃い緑を