五月の黄昏時

年度が変わり
毎日通っていた街にも
疎遠になって
一月半

久しぶりに
足を運べば

ビルのテナントは変わり
ここかしこ
少しずつ変化する街に気づく

新緑の中
刷新された空気を吸い

何十年も気づかなかった
街の移ろいに

懐かしさや親近感と同時に
違和感を覚える

自分の街であったはずが
そうでなくなった

ずっと寄り添っていたものが
自分の内になくなった

少しの違いが
自分がいなくなっても
変わり続ける街の鼓動と

気づかないままにいた
自分の心の変化を
教えてくれる

不思議な邂逅
日常の異空間に迷い込んだ

まだ日も暮れない
五月の夜の始まり