とろとろと流れる

陽の短い夕方に
商店街を歩けば

ひとつ
またひとつ

灯りが点いて
道を照らす

ふるく
店も少ない
この通り

木造の雑貨屋に
煎餅屋

白熱灯を垂らし
まるで時が止まったように
この地に腰を下ろす

白髪で
腰の曲がった店主が

ひとつ
またひとつと

木戸を渡し
店が閉まってゆく

少しづつ
ほんの少しづつ

流れてゆくとき

少し
また少し

過ぎてゆく
わたしの時間

とろとろと流れて
気づかないように

ゆっくり
ゆっくり

しかし
確実に減ってゆく

古びた
この街の
移ろいのように