夏の陽臭

陽に照らされ
汗滴り

濡れたシャツを
陽はなおも照らし

シャツが乾いては濡れ
乾いては濡れて

照り焼きのように
汗と脂が染み入り

最後に乾けば
塩を吹いて

炎天下の
即席の干物となる

シャツには
体から出た匂いと

陽のよく当たった
香ばしさで

臭く
汚く

それでいて
自己愛を確認してしまう

愛着ある匂いが
染み付き

嗅ぐたびに
夏になったのを
思い出す