ヒダル神憑く

酷暑の陽を浴びて
三十分

顎に汗滴り
虚ろな目

空腹も渇きもなく
何も口に入れたくない

動けず
ただ汗流れ

ダルく
億劫

考えたくない
考えられない

頭痛からの

そして
寒気

ガチガチと鳴る歯
震える身体

尿意
痙攣
失神

冷たいタオルと
点滴で
還ってきた

ヒダル神に憑かれたのが
山道だったら

いまごろ
死んでいただろう