寂寥の隙間風

不意に起きた夜半
布団の中
闇に包まれ
中空を見つめる

家族の寝息
いつもと変わらない夜

それなのに

堪らない寂寥
ひとりぼっちの一刻

孤独と無力に
胸が締めつけられる

世界中の誰もが
こんな寂しさを抱いて

歩み寄る死に
恐れおののいて

ひたすら悲しい夜を
耐えてきたのだろう

どんなに人の波に紛れ込んでも
円満に友人や家族と過ごしていても

ふと訪れる
言い様のない寂しさや哀しさ

胸の奥が
スカスカに感じる
耐えがたい不安から
逃げられはしない

今日もまた
寂しさに打ちひしがれ
たまらない気持ちになって

心に入り込んだ隙間風に
無防備に吹かれてしまった