脳が痺れる

炎天の下
肌に玉の汗流れ

水を飲み
何も食べず
また水を飲んで

腹だけが
餓鬼のように膨らみ

体力落ち
気力尽きて

縁側に横たわる

力ない体
働かぬ頭

茫として
焦点合わず

視線は
中空を浮遊する

昼と夜との境目
風も止まる静寂

わづかに
チリンと
風鈴がかすれ

脳に響いてくる

遠くから
ほのかに

疲れきった頭の芯を
ゾクゾクと震わせる

かすかな音色が
染み入るように

湿った大気を渡って
流れてくる