記憶の疼痛

何もない生活に
突然
過去の記憶が差し込んで

ハッとする恥ずかしさや
怒りが襲いかかり

言葉にならない声を
上げてしまったり
刹那的にものに当たったり

不可解な行動に
振り回される

きっかけも分からず
コントロールもできない

いきなり訪れる
厄介な記憶

なぜか
嫌なことばかり思い出す

意識の底で
疼いている
記憶の古傷

忘れたはずなのに
忘れたいのに

忘れるのを許さず
わたしに思い出させ

かまってくれと
振り回す

わたしがわたしである限り
逃れられないものを
強烈に
知らしめてくれる