世界と社会

僕のつながる世界は
生きる社会とつながっていて

僕は世界とつながるけれど
社会と僕はつながらない

風と水に陽の光
息を吸うだけで
体内に染み渡る

それなのに

あいさつや礼儀
人付き合い
人に注ぐ一杯の酒

そんな程度のことにすら
警戒するのはなぜだろう

生きることはつらくない
食べて寝て飲んで
働いて
また寝る

だけど
人の顔色を伺っているうちに

窮屈でちっぽけで
自分がつまらない人間に見えてくる

そんなことを
気にしているうちに

どんどん
私は袋小路に入り込んで

出口を見失ってしまった

風は吹いている
世界は変わらない

自然の中
僕は気持ちがいい

それなのに

世界の中の人間が
僕の中の世界でどんどん大きくなって

僕を侵食し
僕を隅に追いやり

汲々と体を丸めなければ
居られない

気にするなと言っても
無視できない

もうそうなってしまったんだ

つまらないことだけど
毎日毎日
つまらないことに
追い回されているんだ

社会ってそんなものだって
うすうす分かって来たんだけれど

割り切るには
まだ早いんだ