ネットワークの凝り

世界中が
回線でつながり

信号のやりとりで
音も画も
動く絵も

好きに取り上げたり
自分から差し出したり

いろいろな
端末を持ち

あるいは
持ち歩き

どこにいても
世界と繋がれる今

つながることが
この世界に生きるハードルで

つながらないでいられることが
特権で

常に
雑音は聞こえてきて

耳をふさげば
仕事にならず

開いていれば
深夜にだって

地球の裏から
電気信号が送られてくる

わたしは
なぜか
疲れて

ケータイの電源を切り

何人かに
怒られて

つなぎ直すのも
嫌になって

閉じたままでいるのも
不安でいる

もう
どちらも
選べない

こんなに連絡が
手っ取り早くなって

手っ取り早い連絡以外
みんな使わなくなって

電気信号のやりとりに
躍起になって

いつしか
時間と労力を奪われ
支配されている

ああ疲れた

ネットワークの中に
居ないといけないから

何もしなくても
疲れるんだよ