見えないものの

始発前の駅

降りたシャッターの前に
少しづつ
人が集まる

仕事に向かう
サラリーマン

飲み過ぎた
酔っぱらい

外国人の
若いカップ

そして
この寒空の
夜を耐えた
ホームレスたち

駅の構内の
わずかばかりの
ぬくもりに惹かれ

少しでも早く
眠る場所
居場所を見つけようと

この
一年で一番寒い
早朝に

灯り目指して
やってくる

普段は
気にしない
気にも止めない
周縁の人々

みんな
生きて

しんどさも
楽しさも

味わいながら
生きて

別々に
生きながら

今日
この場所で

一緒にいる