分かったような振り

世界中を旅しても
自分の町の中にさえ
行ったことがない場所があるように

知識は
蓄えれば蓄えるほど

足りないものに
目が向いて

知れば知るだけ
己の無知に気づかされる

無知
無理解

人は知らないことを敵視し
分からないことを恐れる

とは言え
世の中のほとんどは
分からないもの

生き物が生まれ
今の形でいるのだって

星がまたたいて
光が降り注ぐのだって

理屈なんか
分からないけど

それはそういうものだと思って
毎日を生きていく

分からなくても
分かったふりして

不安を持たないよう
生きていく

そうしないと
生きられないんだから

困ったもんだ