小径の夜

酔い覚ましに
歩く小径は

鬱蒼とした銀杏
黒く大きく

すれ違う
人の影さえ

長く尾を引き
驚かされる

まだ残る
酒の香

顔をたたく
涼風

足音が
不意に迫っては

千鳥足のわたしを
追い抜いてゆく

こんな夜もあっていい
こんな夜もあっていい

言葉足らず
気持ち通じない人にも