ネガティブの抽斗

どれほど時が経ったのか

過去に埋もれたはずの
数々の記憶

一つ思い出しては
赤面し

また思い出しては
息が詰まる

わたしのこころは

わざわざ
昔をほじくり出して

わたしを苦しめる

完璧な人間などいない
嫌な記憶のない人などいない

それなのに

欠点を探し出すように
忘れていたことを
思い出させ

何度も何度も
海辺の波のごとく

悪いことばかり
押し寄せて

まるで
悪夢をみるように

うなされるわたしを
覗き込んで
楽しむかのような

陰湿なわたしを
映す鏡になって

いつまで経っても
逃れられない

向き合いたくないことばかり
脳裏に浮かび

平穏な暮らしを
ゆるさない

私のこころの
偏執の抽斗