年度跨ぎの元号跨ぎ

四月
昨日と何も変わらないはずなのに

テレビのアナウンサーが
入れ替わり

食べ物の値段が
少し高くなり

新しい元号
発表された

平成も
あと一ヶ月

終わりの見えた時代に
いまだ郷愁は湧かず

振り返るのも
忘れるのも
長過ぎる歳月

ただ生きた
生きたことだけが
身体として残り

精神は振舞いの内に
刻みつけられ

ふと
思い出しては
感情を揺さぶる

諦めにも似た
平成の終わり

希望よりも
刷新よりも

曖昧で
アンニュイな
今を

まどろみの中に
味わう

年度跨ぎの
今日この日