昨日の過去

体をこじ開けて
押し入る熱気に
埋もれていた昨日

ただ
遮二無二
興奮の中

前を見ていた

本当は
何も見えなかったのに

前だけを向いて
腕を振り
走っていた

走り方など
分からないのに

どこまでも行けると
信じていた

信じる根拠など
どこにもないのに

信じることが
できた

そして

今はもう
出来ない

賢くなって
ずるくなって
弱くなったから
出来ない

出来ない理由を
探すのが上手くなったから
出来ない

できると
信じる方法を
忘れてしまった

忘れてはいけなかったのに
忘れてしまったのが
苦しい