嵐の過ぎた夜

嵐の過ぎた夜は
静かに
ただ静かに

凪いで
しっとり湿った空気が流れて

おだやかに
物音一つせず

何も起こらず
誰も動かない

懐古も
述懐も
生々しく

ただ嵐の過ぎた
その余韻に

世界が浸っている

力を使い果たし
羽を休め

ボロボロの
姿見せることなく

どこかに
隠れ

静かに
ただ静かに

嵐の過ぎた夜は
過ぎてゆく