風来の言

乾風過り
熱波立つ

渇咽に
見上げる空は
虚無が靡き

遠き草木は
砂の向こう

ただ吹く風は
音を響かせ

灼熱と孤独を
煽り立てる

時が止まり
記憶は遡る

あの夏
痛々しい暑さと
胸に疼く痛み

若き過ち
取り戻せぬ過去

熱い風が
吹き渡るたび

思い出しては
また
夏を惜しむ

わたしの
一部