言葉に流れたとき

人という生き物は

猿のごとく

 

いつも群れ

山のてっぺんから

人を見下したいと考える

 

仲間も家族もいて

いがみ合って

喧嘩が絶えず

 

なのに

人と接しないでは

いられない

 

感謝も世辞も

聞き飽きた

 

言葉は上塗りの

気持ちを隠す道具となって

 

我々を

混乱させる

 

滑り滑って

流れ流れて

 

よく見えぬ

よく聞こえぬまま

 

たちどころに

通り過ぎってしまった

 

あのときの

純粋な気持ち

 

掬い上げられなかった後悔は

記憶のしびれ

 

今思い出しても

匂ってくる

 

あの日の郷愁