用意あり

平穏な心であれば

良い詩は書けぬ

 

苦悩

葛藤

嫉妬

怨恨

 

頭の中に

苦々しい感情が渦巻いて

 

悩み苦しみ

耐え難き心理のなかで

ようやく吐き出す

 

このままでは

生きていられぬ

 

狂ってしまう思いが

溢れ出る

 

生きるための所業としての詩

自分が自分であるための

不可欠な言葉

 

ぎりぎりまで追い詰められなければ

出てくるはずがない

 

ものを見て

言葉を磨き

 

自分に襲いかかる刹那を

捉えるために

十全の用意をし

 

いざその時

いつでも吐き出せるように

 

走り出せるように

飛び立てるように

 

毎日の言葉を仕立て

待ち構える

 

ただそれだけに賭けて