夢の間

歳を取り

体は動かない

 

日がな一日

床に臥せり

 

大半を寝て過ごす

 

まどろみに

見る夢は

 

現実よりも

はるかに鮮やか

 

見る度に

風景は変わり

 

記憶の底から

喜怒哀楽が流れてくる

 

夢のほうが楽しい

夢のほうが現実味がある

 

呆けた頭で

ひたすら夢を見る

 

夢こそが

いきがい

 

夢こそが

人生

 

遠く離れて

生を手放しながら

 

ただ夢を見る

 

きっと

死ぬまで