友への哀歌

大病に苦しむ友よ

 

いま思い出す

人生の曲がり角

 

あの日

 

同じ風を浴びた

同じ空気を吸った

 

良い時も

悪い時も

 

傍らに座っていた

 

お前が

もう

この世からいなくなってしまう

 

抗えない

命の定め

 

騒いでも

悩んでも

 

仕方がないのだ

 

ただ

見守っていることしかできない

 

衰えていくお前を

 

思い出は

溢れるほどある

 

もはや

新しく作るものなど

なにもない

 

噛み締めながら

諦めながら

見送る

 

他に何もできないんだ

 

この無力の前では

 

まだここにいるお前の隣で

ただ座っている

 

それだけで

良い気になる

 

時は止まらない

 

苦しまないでくれ

 

お前を見ているから