夏の駅

炎天下に

立ち上がる陽炎

 

踏切の遮断機が降りると

遠くに

汽車が揺れる

 

陽炎の中を

走り抜け

 

ホームに影とともに

滑り込んで

 

出た後には

誰もいない

 

照りつける日差し

蝉の声

 

ひと気ない駅には

夏の香り漂い

 

郷愁とともに

いつまでも

脳裏に刻みつく