2020-05-27 記憶の匂い #詩 詩 思い出せば 記憶とともに 脳裏に香る 学生服を来て走った 雨上がりの夏草の匂い 北海道の涼やかな風の下 照りつける太陽 なびく若草 遠い遠い 祖母の部屋 学生アルバイトで通った 浅草の倉庫 西の島の さびれた漁村にぶら下がる干物 記憶が匂いを呼び起こし 匂いは郷愁をかき立て 郷愁は郷臭として 記憶に刻まれている あの時の あの頃の 匂い 現実にはない 頭の中だけで香る 匂い