夜のバイク

秋めいた夜長

遠くにバイクの走る音

 

スピーカーの怒号が

パトカーのサイレンとともに

近づいてくる

 

闇に響く

排気音

 

今日も盛り場では

カーチェイス

 

音だけが

暴力を聞かせて

 

権力が

追っていく

 

怒りと

蔑みと

からかいの混じった

 

世を拗ねた若者の時間が

こうして費やされる

 

ああ

うるさい

 

若く

狭く

驕った音だ

 

エネルギーに満ちた

都市の渦に

自ら身を投げたがる

 

若者の

叫びにも似た

咆哮だ