八合目

森林限界を越えた

とおく続く瓦礫の尾根は

折れ曲がりながら

山頂へ向かっている

 

体力は尽きた

 

焼けつく痛みが

下半身に走る

 

靴の中の足は

豆でぐしゃぐしゃだろう

 

痛みすら

麻痺したようだ

 

ただ

顔は上を向いてきた

 

行くしかない

行くしかないんだ

 

終わりは見えてきた

 

気力で登る

 

まだ体は動く

 

ほら

一歩

 

また

一歩

 

歩けるなら

歩くしかないんだ