瞼の裏

明るい青に

沈んだ赤

 

脳の奥から

まぶたの裏に

 

浮かび上がり

電気のごとく走り

消えゆく

 

子供の頃から

ずっと身近にあり

 

いまも

正体がわからない

 

分からないままに

飼いつづけ

 

不安も

心配もなくなったが

 

疑問は

そのまま残り

 

折りに触れ

頭をもたげる

 

死ぬまで

分からないで

生きるのだとしたら

 

我が生を

覆い続けた

瞼の裏こそ

 

生の疑問を

与え続け

 

生への

私の感触を

もたらし続けた

 

無二のものであろう