感情の彼方

感情の振り子が

今日も揺れていた

 

右へ左へ

風に靡く花のように

 

か弱く

その場限りの震え

 

泡が浮かんでは消え

背に当たっては上る

 

温み水に

体を漬け

 

丸まって

何も考えないようにしていた

 

ただ

電気のように走る

感情の起伏に

反応してしまうのが

厄介だった

 

やるせなく

気だるく

無気力であった

 

哀しみも

感じたくなかった

 

惰性で

転がり続け

 

生と死の境も

分からず

 

存在も忘れて

 

感覚を喪失しつつ

 

消えてゆければ