2021-08-17 夕暮れの里 #詩 詩 山の端に 陽が沈む頃 電信柱のスピーカーから 童謡が流れる カラスと一緒に 帰りましょう 田んぼの水は抜かれ 枯れすすき揺れる 冷たい空気に どこからか 野焼きの匂いが漂い ぽつりぽつりと 明かりが灯った家々では せわしなく 夕餉の支度の音が聞こえる 遠く 子供の頃 何をするともなく 野山で時間を潰し 見るともなく 目に入った風景が いまだに 胸に残る