夕暮れの里

山の端に

陽が沈む頃

 

電信柱のスピーカーから

童謡が流れる

 

カラスと一緒に

帰りましょう

 

田んぼの水は抜かれ

枯れすすき揺れる

 

冷たい空気に

どこからか

野焼きの匂いが漂い

 

ぽつりぽつりと

明かりが灯った家々では

 

せわしなく

夕餉の支度の音が聞こえる

 

遠く

子供の頃

 

何をするともなく

野山で時間を潰し

 

見るともなく

目に入った風景が

 

いまだに

胸に残る