2021-10-13 雨粒の下に #詩 詩 曇天の秋の下 雨粒混じる風に打たれ 鉄橋を渡れば アイルランドの片田舎に 迷い込んだ錯覚にとらわれる 寒く 風の音だけが聞こえ 生命の気配なく 灰色の街 雨と土の匂いが 空気をかき回し 体を打つ冷たさは 五感を閉じさせる 我が家を目指し 俯き加減で急げば かの昔 何事か口ずさむ 詩人の姿が 脳裏に浮かぶ