夜の寄る辺

寒き夜は

暖かさ求め

 

路地裏を徘徊し

 

焼き鳥の匂い

おでんの湯気

 

嬌声ざわめく間を縫って

人の熱気に当たる

 

夜いよいよ更け

人もまばら

 

酔っぱらいの叫び声

夜空に響き

 

寒さ増して

おでんの屋台も

引かれゆく

 

公園のベンチに

路地裏の角に

 

寝転がる人々は

 

帰る場所なく

寄る辺なく

 

哀しさを

酒に紛らわす

 

そんな夜を歩けば

寂しさも

また

一人だけでない