2021-10-14 夜の寄る辺 #詩 詩 寒き夜は 暖かさ求め 路地裏を徘徊し 焼き鳥の匂い おでんの湯気 嬌声ざわめく間を縫って 人の熱気に当たる 夜いよいよ更け 人もまばら 酔っぱらいの叫び声 夜空に響き 寒さ増して おでんの屋台も 引かれゆく 公園のベンチに 路地裏の角に 寝転がる人々は 帰る場所なく 寄る辺なく 哀しさを 酒に紛らわす そんな夜を歩けば 寂しさも また 一人だけでない