還ってくる

還ってくることが

安堵なのか

失望なのか

 

危機からの生還ならば

安堵には違いない

 

だが

還り来て

停滞となれば

 

喜びはない

 

喜びはないものの

還った現実は

 

還る前とは

違って見える

 

一つ終わり

戻ってみれば

 

還る場所があることも

還る目的があったことも

 

失望には帰さない

 

還っても

また出てゆけばいいし

 

留まっても

ここに安住する意味を

問えるようになる

 

現状肯定という

怠惰に見えたものが

 

現状の再点検へと

意味を変えれば

 

還ってくるのも

また無駄ではない