人の歴史

知己も得ない

ただ名前だけ知っている

 

彼の足跡を

調べ

辿り

 

彼の人生を

想像し

 

あの時

彼は何を考えたか

 

なぜ

彼はあのような行動をとったのか

 

どうして

彼は殺されたのか

 

逡巡するうち

 

彼の中から

歴史が生まれ

 

一つの世界が

一つの存在についての文脈が

作られていく

 

彼と

彼を取り巻く状況で

 

彼の生き方を理解する道が

見えてくる

 

けっして等身大ではないが

それほど隔たってはいない