河童の世界

世界について考えること

世界を空想すること

 

世界を生活から思うこと

生活で世界を縛ること

 

この逃げられない場所の外に

 

見たことも

聞いたこともない世界が

広がり

 

それは

素晴らしいものであるに違いない

 

なぜなら

今苦しいのだから

 

苦しみから逃れられるどこかは

必ず素晴らしい

 

現実を否定し

未知を焦がれる

 

今よりも

もっと良い何かの存在を信じる

 

それは

来世が極楽であるという

素朴な信仰と同様に

 

想像力に欠けた

現実逃避に過ぎない

 

世界を想像するなら

 

願望は含んでいても

快楽と恐怖と

多様な生のあり方が

示されなければならない

 

生まれてくることを

拒絶できる

河童の傲慢と無知と虚妄よ

 

故に河童の世界は

安寧に満ちている