破綻の手前

怖ろしい怪物が

口を開けている

 

今にも

食らいつきそうな

 

口の周りで

ダンスを踊り

 

はじめは

恐ろしさに震えても

 

いつしか

踊るあいだに

 

慣れ

馴染んで

 

恐怖は吹き飛んだ

 

だが

状況は変わらない

 

あと一歩

あと一押しで

 

奈落の底に落ちてしまう

 

そう

今日なのか

明日なのか

 

引き金は

いつ引かれるか知れず

 

惰性に麻痺した人々は

すべてを知りながら

踊り続けている