命の数々

世界は分からない

 

未知を前に挫けるか

これから知る喜びにうち震えるか

 

分からない有象無象が

幾らでも湧いてきて

 

その一つ一つに

切実な生命が宿り

 

一喜一憂しながら

かけがないのない時を生きている

 

幾らでも死に

幾らでも生まれる

 

自分にとって

何よりも大切な命を

誰もが抱え

 

それは

やはり

どうしても失われる

 

死という絶対的な断絶

 

なのに

ありふれた出来事でもある

 

いつか死ぬ

誰でも死ぬ

 

でも

死んだら終わり

 

順列組み合わせなど

やり尽くしたとしか思えぬ

億を超える命の誕生と喪失

 

そのどれもに

喜怒哀楽があり

 

切実な思いが籠もるなんて

 

なんとおそろしいのだろう