素人の包丁

愚かであることを

悪と断罪したくなるほどの

愚行の数々

 

素朴な敵意を向ける刃は

なまくらのため

 

切れないばかりか

打ちつけて鈍い痛みしか残らない

 

それを盲滅法

八つ当たりで

場当たりに

どこかしこと振り回すのだから

 

誰も近寄らず

戦いにもならず

 

勘違いした当人だけが

 

無敵の人として

唯我独尊を気取っている

 

敵意のせいでも

攻撃性のためでもなく

 

愚かであるために

引き起こされる悲劇である