否定そして否定

暗さと愚かさと

プライドの高さ

 

怠惰と高慢と

人見知り

 

虎になった男は

どこにでもいて

 

私の中に

棲んでいる

 

過剰な自己韜晦は

社会との断絶をもたらし

 

社会の否定

他者の否定

 

自己否定に至るのは

わけなかった

 

誰かを断罪する己も

また何者でもなく

 

むしろ

無力で疎まれる存在なのであった

 

否定は

最後には

自分に還ってくる

 

その波に

呑まれ

溺れ

 

嵌まり込んで

抜け出せなくなり

 

いよいよ

堕ちてゆくだけの格好は

 

ひたすらに

怠惰を貪る

情けない姿で

 

さらに

自己否定を強める結果となる

 

否定

そして否定

 

この連鎖から

抜け出せないものか

 

誰かを認めれば

己を認められるのか

 

何かに仮託すれば

面倒な考えが浮かばなくなるのか

 

ああ苦しい

ひたすら苦しい

 

この苦しさから逃れるために

 

どんな愚行だって

犯してしまいそうだ