生き残った
この月の地獄を
生き抜いた
体はボロボロ
心は麻痺して固まる
詩情など
残っているはずもない
それでも
生きていられた
人が
短い間に
全精力を傾けて
一つのことをする
全てを燃やし
あらゆる犠牲を払う
それでも
何も残らない
何かを作ったわけでもなく
何かを手にしたわけでもない
ひたすら
消耗を重ねた月日
だが
生き残ったのだ
死ななかった
そして
今日から生きていける
その喜びと安堵こそ
地獄からの生還で
手にした感情