何もない生活 何もない言葉

自分には何もない

特別な知識も
卓越した能力もなく

どこまで行っても
ありふれていて

凡庸で
交換可能で

大したことがない

生きている意味も分からず
目標も持てず

怠惰で
その場限りの欲望だけで動き

同じような暮らしを
繰り返す

このまま朽ちて
何もなかったかのように消えるだろう

自分の生とは何だったのか
なぜ今生きているのか

さっぱり分からず
無力な自分を思うと
情けなくなる

一つだけ言えるのは
世のほとんどの人が
私と同じように生きていて

それぞれの局面で
努力もし
人の役にも立つだろうが

ふとした隙に
人生の虚無に襲われ

くり返し
自分の生き方を問い直しているはずだ

答えなどある訳もなく
悩みを振り切って

がむしゃらに行動したり
世の中に自分の居場所を見出そうとする

それで世の中が回るなら
悪くあるまい

ただ
たまに

自分がちっぽけだと
痛ましいくらい
身に沁みたとき

きっとみんなも悩んでいるのだろう
自分だけが一人じゃない

そう思って
気を紛らわす

ならば
世界中に人がいてくれることは
無意味ではないし

ただいるだけで
知らない間に

人を救い
勇気を与えることもあるのだと

思いもする