2018-07-24 夜のレンズ 詩 #詩 朧月夜に響く 哀愁の音 老婆一人かがみ 丸眼鏡拭く 使う当てのないレンズを から拭きして 磨いて 磨いて 磨くことしかできず 磨いても 何もならないのに いつまでも 磨いている 無意味で 退廃の匂う反復 だが きっと 自分が同じところに おさまれば 同じようにやると 確信する 意味ではなく 行為に依って 酔いしれて 安堵の眠りに つきたいと 人は 願うものだから