逃亡の頃

何もないことが
何もできないことが

苦しくて
苦しくて苦しくて

忘れたくて

がむしゃらに
打ち込んで

忙しくして

考えないで済むように
暇な時を作らないように

一直線に
突っ走って

決して振り返らないように
自分の中身を気にしないように

毎日
疲れ切って

ヘトヘトの
トロトロに溶けてしまえと

体を使って
頭を使う余力を残さず

全力で
生きる

だけど
周りからは前向きに見えても

それは
もう
逃げに逃げているだけで

やがて
体が動かなくなって

自分と向き合わなければならない日を
先延ばしにしてるだけ

でも
それでいいよ

だって
逃げることすら億劫になって
何もしない日は
いつか来るんだから

逃げても
動いていられるなら

体が心を前向きにすることだって
あるんだから