静謐の闇

静かだ

夜半
物音一つ聞こえず
光一つ差さず

何も聞こえない
何も見えない

目を閉じても
目を開けても

視界は変わらず
闇のまま

かつて
小さい頃

不意に起きた夜
同じ静寂と闇に囲まれ

これが
死ではないかと

一人
恐怖した

いま
感覚は麻痺し

死ですら
ただ訪れるものとして
鈍感に受け止め

日々を
過ごしている

だが
この闇に立てば

うっすらと
死を思い

暗黒の深さに
目を背けてきた
毎日を思い

静寂と
無の世界と

隣り合わせの生を

また強く感じる