喪明け前

人は皆

必ず死ぬ

 

死は平等で

理不尽

 

必然の別れ

受け止めるには重い

 

それでも

受け止めないわけにはいかず

生きている限り

時は過ぎ行く

 

色がなく

味気ない日々を

幾多も過ごし

 

過去を振り返っては

戻らないと嘆く

 

嘆き

自棄になり

当たり散らし

 

疲れ果てた

 

どこまでも

過去をえぐり出そうとも

死を克服する術は

見つからない

 

思い出は

現実を彩りはしない

 

闇は深まり

掘り出す過去も無くなった

 

しかたなく

他にやりようもなく

 

現実に

色あせた今に

関わる時が迫った

 

夜明け前の

暗がりで

 

日が昇るのを

じっと待った