機械のない街

仕事を機械に奪われて

あれも

これも

 

人間は

やることがなくなって

役立たずになって

 

それでも

依然として

人間である

 

馬鹿だとか

無能だとか

関係ない

 

人間は

いつまでも人間で

 

機械に使われるようになっても

機械のほうが偉いわけじゃない

 

便利かどうか決めるのは

いつだって人間だ

 

職にあぶれた人たちが

徘徊する街にきて

 

狡猾な競争に

蹴落とされ

 

やる気を失い

魂も抜けた住人

 

彼らは機械に

奪われたのではなく

 

人間に搾取されたのだ

 

寒々しく

やけに広い道路で

 

人を信じられなくなって

歩き回るホームレス

 

ここにある自由は

底が抜けている