理屈などなかった

絶対にコロナに罹るわけにはいかない

とサラリーマンの知人は言った

 

罹ってしまえば

会社は営業停止

 

一体

どれほどの損害をかけるのか

 

罹った後

どの面下げて会社に行けばいいのか

 

そもそも

会社に居場所は残されているか

 

ああそうか

こういうことだったのか

 

絶対にコロナに罹ってはいけない人がいるのは

コロナを会社が許さないからだったのか

 

しかし

どんなに努力しても

 

罹るものは

罹ってしまうだろう

 

罹患は罪ではない

だが実際は罪と同等

 

こんな理不尽を背負わねばならない人々が

世に溢れている

 

そりゃあストレスも溜まるわけだ

コロナを撲滅したいと言うわけだ

 

罹ってはならぬ自粛が

重圧や恐怖に姿を変える

 

だが

おかしい

 

病気に罹ってはならない社会という

奇妙と違和感

 

形を変えた管理と監視が

網の目に張り巡らされた

 

他者の

会社の

社会の

目に怯える今

 

やめてくれよ

余計なしがらみは

 

病気よりも

はるかに恐ろしい

 

誰かの目を気にしながら

コロナのことだけは

盲目的に忌避して

 

全体で一丸となって

破滅へと突っ込んでいく