湖面の糸

動力を失った

孤舟ひとつ

 

流れてゆく

 

水の鏡面に

糸を引き

 

音一つなく

変わらぬ速度で

 

時が止まった

風景の中を

 

ただ

ゆっくりと

 

このまま

いつまでも

 

どこかへ

消えてしまうまで